今年一本目の映画鑑賞です。
「サディスティック・ミカ・バンド」
2007年3月8日・東京NHKホールで行われた再結成ライブの模様がメイン。
その合間に、加藤和彦・小原礼・高橋幸宏へのインタビュー、バックステージやリハーサルの様子、
軽井沢での合宿で行われた、アルバム「ナルキッソス」のレコーディング風景を織り交ぜた
音楽ドキュメンタリーです。
映画用35mmフィルムで撮影されたライブは、臨場感が満点!
思わず、座ったまま足でリズムを刻んでしまいました。
スクリーンで改めて観てみると、現場ではよく見えなかった所までハッキリ捉えられていました。
又、WOWOWで放送されたLive映像とは違うアングルで、まるで初めて観たかの様に楽しめました。
組曲「黒船」のイントロを聴いた瞬間、鳥肌が立ってしまいましたよw
三者(高中氏は例によって喋らないw)へのインタビューは、同じ質問に対する答えが
それぞれ別の場所で収録されていました。
質問が具体的にどんな内容だったのか。映画ではハッキリと示されなかったのですが、
推測すると「ミカバンドとは何だったのか」「各メンバーについて」そして「Rockとは?」
そのインタビューを聞いて、自分の頭に浮かび上がった言葉は「バンド・マジック」。
全く個性の異なるメンバーが一つの場に集まり、「せーの」で音を出した時に産み出される、
魔法に依る物としか言えない、そんな瞬間。
小原氏の言葉を借りて各メンバーを例えると、
「最高級品が好きな」加藤和彦
「最先端が好きな」高橋幸宏
「知る人ぞ知るが好きな」小原礼
「タカナカ星の大統領」・我が道を行く高中正義
バラバラな個性を持ったメンバーが各々の音楽的要素を、ミカバンドというフォーマットに合わせ
バンドへ持ち込んで楽曲を作り上げていく。
エゴをぶつけ合う事なく、それでいて個性を殺さずに。
それはゲスト・ヴォーカリスト、木村カエラも同じです。
現在ヒットチャートを賑わす彼女の作品とは違う手法、音楽性を求められつつも
ミカバンドのスタイルに合わせ、尚かつその個性を発揮して
オッサンばっかりのバンドに彩りを添えていました。
返す返すも、彼女を選んだ人選は大正解だったなぁ。
スタジオでは、実に楽しんで曲を制作していました。時にはアルコールを交えつつ(!)
肩の力を抜いて、かといってエェ加減な仕事ではなく、締める所はキッチリ締めて。
サディスティック・ミカ・バンドとは何だったのか。
映画を通して勝手に導き出した結論ですが、それは
「プロフェッショナル達が真剣に遊ぶ為の場」だったのではないでしょうか。
30年以上前の結成当初も、今回の再結成も、基本的には一緒。
50代を迎えて尚もRockし続ける彼らの姿は、とてもカッコ良かったです。
あと余談ですが、オフ・ステージでの、ナチュラルメイクの木村カエラはかなり可愛かったです。
普段は全くのストライクゾーン外なんですけどね